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   ■ Essay    徒然なるままに・・・エッセイ


2007年 1月

まだまだ、「幸せな家は腕の良い職人さんが心を込めて建てる。」です。
 「幸せな家」とはどんな家だろうかということをお話したいと思います。そんなに難しい話ではないのですが、私が勝手に思っているだけなのですから。でもとっても重要だと勝手に思っています。
 これは私のトラウマかも知れないのですが、空間には想いが宿ると考えてしまうのです。昔見た映画で怖いのが結構ありまして、その家で悲惨なことが起こった後、新しく住む家族にいろいろな不幸が降り掛かるというのがだいたいのパターンですよね。それとか、ホテルのある部屋でいろいろな事があるとか。
 つまり、空間にはそこにいた人の想いが永遠に残るのではないかと私は考えてしまうのです。ですから新築するときの沢山の職人の想いは、これから一生その家に住むお施主さんに影響するような気がするのです。ですから逆に、「心を込めて建てた思いは、この家に住む人を幸せにする」と。
 地鎮祭の真の意義はそういうものだと私は考えています。土地の四方に神々を降ろして土地を清め、永代に渡っていろいろな災害からこの家を守り、繁栄させて貰う為の儀式だと。わたしは、地鎮祭のときはいつもそういうふうにイメージしています。そうすると本当に守られているような安心した気持ちになり、建築もスムーズに進むような気がしてきます。ですから、私は、職人さんには、お施主さんの為に心を込めて仕事をしてください、不愉快な事があったら、現場には持ち込まないでください。と言っているのです。これはきれいごとで言っているのではなくて本当にそう思っているのです。
 腕の良い職人さんは本当に心を込めて仕事が出来る人です。だって、彼らがそういう思いで仕事をしなければいけないと言うのですから。
 こんなことを、毎回考えて、設計したり、建築したりしているので、一軒、一軒に時間が掛かります。ですから、せいぜい出来ても年間4,5軒が精一杯です。わたしが、「幸せな家」と言っているのは、たったこれだけでした。他には何もありません。期待させたら申し訳ありませんでした。
 しかし、陶器の焼き物とか、料理とか、家具とか、その他の全てのものに対してあなたが、いいなと感じるものはやはり「心を込めて作ったもの」であるはずです。そして、そういうものはずっと大事にしますよね。いい加減に作ったものに心を惹かれることはないし、芸術作品になるはずもありません。家もひとつの作品です。その中に入ったら誰でもそういうことを感じるのです。和室は特に大工さんの性格が出るところです。
まあ、あなたもいろいろ見て廻ってください。家は「心を込めて建てて貰わなければならない」訳が分かりますから。
 最近こんな話を聞きました。わたしの友達が来て、「隣の家の奥さんに会ったら、「こんな家建てなきゃよかった」って言って、いろいろ不満を言うんだよ。どう思う。幸せに暮らすはずの家が不幸になるために建てたようなものだよなあ。本当につらい話だよなあ・・・・・・。」こういうことって珍しい話ではありません。
 愛らしい赤ちゃんの手を触るような思いで家を建てたいという大工さんがいます。(信じられなーー愛)



2006年12月
今回も、「幸せな家は腕の良い職人さんが心を込めて建てる。」の続きです。
 住宅の出来、不出来は職人さんの気持ち次第です。前回に書いたように、心を込め
ることが出来なければ、その住宅は、出来の悪いものになるのです。最悪の場合、欠
陥住宅になるのです。大工さんが打つ無数の釘、それを一本、一本カナヅチで叩き込
んでいく作業、その他の業種に於いても全ての作業は、心を込めなければ手を抜きた
くなるような作業ばかりなんです。ここの施主は、態度がでかくて気に入らない、こ
この工務店の社長や、監督は何も分かっていない、設計士は出来もしないくせに偉そ
うなことをと言って、とか職人さんにとっては不愉快なことが山ほどあるのです。何
故って、彼らだけですよ、汗水流してあなたの家を建ててくれているのは。
 今の時代そういうハードな部分は軽視されているのではないでしょうか。みんなソ
フト面ばかり考えているのではないでしょうか。ハウスメーカーに至っては、出来上
がるまでに施主が一度も見に来ないということがあるみたいですけど。全てのものは
誰かが汗水流して出来上がっているということを再考してもらいたいものだと思いま
す。コンピューターだって、大好きな車だって考えられないくらいの多くの人の手に
よって出来ているのですから。
 話がどんどんそれて、なんかちょっと感情的になってしまいました。
 しかし、心配しないでください。腕の良い職人さんはとても温厚で、本当にお施主
さんのことを考えています。ちょっとやそっとじゃへこたれません。彼らは喜んで汗
ビッショリになって良いものを造ろうとしています。逆に腕の悪い職人はとても横柄
で、自分の仕事が嫌いなんです。腕の良い職人さんは、自分のやっている仕事が大好
きです。当然の結果として、良いものが出来上がるのです。
 住宅を建てる前には、その工務店や大工さんの建てた建物を見せてもらって下さ
い。良い、悪いは素人でも分かります。もう雰囲気が全然違いますから。だって住ん
でるお施主さんがとても素敵ですから。


2006年11月
 今回は、「幸せな家は腕の良い職人さんが心を込めて建てる。」です。
 いくらいい設計が出来ても、これは絵に描いた餅でしかありません。しかし、いく
ら絵に描いた餅でも細部まできちんと描いていないと職人さんがいくら腕が良くても
意図が伝わらないのです。
 住宅の建築に携わる職人さんは結構な人数になります。色々な業種があります。ま
ず基礎工事に始まって仕上げ工事にいたり完成までには、約20業種近くあります。
このそれぞれの業種に職人さんが専門で携わってくれて家が完成していくのです。あ
なたは、家は、工務店やハウスメーカーが建てていると思っているのではないでしょ
うか。そうだとしたらそれは大きな間違いです。あなたの家が完成するまでには多く
の職人さんが汗びっしょりになってひとつひとつ仕上げていくのです。大工さんが打
つ釘の数を考えただけでも気が遠くなると思いませんか。その一本一本をカナヅチで
叩いて打ち込むのですよ。簡単に考えていたら大変なことになりますよ(たけしの本
当は怖い家庭の医学みたいですねえ。おーこわ)。
 今回私も塗装工の職人さんの手伝いをほんの少しだけさせてもらいました。どうし
ても次の日に取り付けなければならなかったのです。軒の下の側壁に付ける木の格子
に防腐剤を塗るのですが、わたしは、毎回図面を書いて大きさを決めて、防腐剤は2
回塗るようにとお願いだけしていました。しかし、手伝う段になると、その格子の数
も半端ではないのです。しかも、5ヶ所もあるのです。作った大工さんにも驚きます
が、これを延々と塗っていく職人さんにも感嘆します。しかも2回塗るのですから。
結局、わたしは一ヶ所分しか手伝わなかったのですが、それでも炎天下で3時間近く
掛かりました。5ヶ所で15時間ですよ。本当に職人さんの仕事は地道にひとつひと
つやっていくのです。心を込めてやらなければ、2回塗るところを1回で済ませてし
まうのです。わたしも、手伝っているとき、「これを、もう1回塗らなければならな
いのかー。うー。」と気が遠くなりましたから。  (まだまだ 続く)



2006年10月
この先生の場合、本当に単純なミスだったのです。それは、家というのは奥さんの意
向を十二分に聞いて、奥さんが使う上で本当に使い勝手のいい間取りにすべきなので
す。何故なら、ご主人は、仕事に出て、いつも家に居るのは、奥さんですから。
 この先生の場合、奥さんの意見も聞いたのでしょうが、やはり建ってみないと奥さ
んもわからなかったのでしょう。それは、居間に行くのも、どこに行くのも台所を通
らなければ行けないようになっていただけなのです。お客さんが来ても、台所を通っ
てもらう・・・。奥さんとしては、本当に嫌ですよね。
そこで、設計者がちょっと助言すれば、「ああ、そうか。」となると思います。
 こんな家って昔の家は随分見かけたようなきがします。今は、結構その辺は考えら
れていますよね。
しかし、ハウスメーカー等の決められた各タイプの3パターンぐらいの間取りを見て
も、ここはこうした方が良いのでは、と思うところがあります。自由設計といいなが
らこの3パターンのどれかを選ばせて無理矢理敷地に押し込むのはちょっと無理があ
るのではと思うのですが。
 余談ですがハウスメーカーはなぜ間取りのパターンを3つぐらいにしているか知っ
ていますか。それはお客さんに間取りを決めてもらうのに5つあると迷って決めるこ
とが出来ないそうです。3つならその中の1つを決めることが出来るそうです。間取
りを一から決めていくというのは本当に大変な作業なんですよ。パターンを決めて、
それを微妙にいじって自由設計ですというほうがどんなに楽か。
 「家は3回建てないと気に入ったものは出来ない。」ということを聞いたことはあ
りませんか。自分で考えている以上、何度建てても難しいのではないかと思います。
設計者の助言を聞きながら間取りを考えていけば、100%とはいかなくても満足の
行く間取りが出来ると思います。
 次回は、「幸せな家は腕の良い職人さんが心を込めて建てる。」です。



2006年 9月
このどれかが欠けた場合を検証してみましょう。
 まずあなたが家を建てようと考えたとき、一番最初に頭に浮かぶのは何でしょう
か。漠然としたイメージとしての自分が気に入った住宅が浮かぶでしょう。しかし、
いろんな建築雑誌を読んだり、見たりしても、それは漠然としていると思います。そ
れをハッキリとしたイメージにしてくれるのが設計者です。それは営業マンでもな
く、工務店の社長でもなく、設計者です。ですから、あなたがどこに住宅を依頼しよ
うがしっかりとした設計者がその会社等にいることが第一条件です。
 面白い(失礼、辛い)エピソードがあるのですが。 私の小学校の恩師が増築した
いというので家に伺った時、「辻原君この家の間取りをどう思う?」と聞かれたので
「先生申し訳ありませんが、この間取りでは使い勝手が相当悪いでしょう。」「そう
だろう。自分も建築中後半にこんな風になるのかとわかって冷汗が出たんだよ。でも
その時はもう遅いよな。これに一生住むのかあって悲しくなったなあ。しかしなあ、
色々と建築雑誌を見て、自分なりに合計100枚近くも間取りを作って、これしかな
い、これだと決めた間取りを大工さんに渡したんだ。大工さんはその間取りについて
何も言わず、その通りに建築士に渡して確認申請を出した。大工さんも、一言いって
くれればいいのになあ。」「先生、大工さんは家を立派に建てる人だし、間取りの善
し悪しなんて考えないですよ。先生が気に入っているならなおさら言わないです
よ。」「しかし、あんなに間取りを書いたのに全然わかってなかったんだなあ。」と
しみじみ後悔。「先生、設計者の助言て本当に大切なんですよ。」「そうだなあ、後
悔先に立たずだなあ。今度家を建てるときは、君に頼むよ。でももうない
かー・・・」しばしの沈黙・・・。 (続く)



2006年 8月
 8月のお盆休みはいかがお過ごしでしたか。私は、嫁の親戚がみなさん帰省してく
れて、大変有意義に過ごすことができました。嫁のお兄さんは名古屋の超大手の某自
動車会社に勤務していまして、長期休暇を取って(さすが大手!)帰ってきました
が、本当に楽しかったですね(そんな訳で8月号のニュースレターがどんどん遅く
なってしまっています)。みんなが楽しく過ごせる我が家とは、本当に有り難いです
ね。私は、こんな家をあなたとつくれたらいいなと思います。
 「十人十色」という言葉をあなたは知っているでしょうか。「人の好む所、思うと
ころ、なりふりなどが一人一人みんな違う」ということですね。
 「類は友を呼ぶ」という言葉をあなたは知っているでしょうか。「似た者同士は自
然と寄り集まる」ということですね。
 人生とは、「十人十色」な人たちが何とか似た点を見つけて「類は友を呼ぶ」よう
に生きていくのですよね。そしてそこには少数意見と多数意見というものがありま
す。
 私の意見は少数意見かもしれませんが、私の考えをあなたに伝えられたらと思いま
す。しかし、大したことはありませんので、期待はしないでください。少数意見です
から。
  あなたは、「三位一体」(「さんみいったい」と読みます。)と言う言葉を知っ
ていますか。これはキリスト教世界の言葉で「神と子と精霊」ということです。電子
辞書の広辞苑に載っています。もう一つの意味は、「三つの要素が互いに結びつい
て、本質においては一つであること。三者が協力して一体になること。」とありま
す。わたしは、住宅建築界(キリスト教界に対抗して)にもこの「三位一体」がある
と考えています。それは「施主と設計者と職人」です。そしてこの「三者が協力して
一体になって幸せに暮らせる住宅を完成させる」のです。このどれかが、欠けてもそ
れは完成しません。(続く)


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